雛人形

十二単(五衣唐衣裳)の構成について

更新日:

 雛人形の女雛は五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)、通称十二単(じゅうにひとえ)をまとっています。この十二単の構造について調べてみました。

お断り

 自分自身が理解できるよう、「十二単のはなし―現代の皇室の装い」という文献を読み、文献に掲載されている写真やイラストを模写したのですが、「模写を公開することは著作権に抵触する」という見解なので、公開できません。
 このため、著作権フリーの画像を用いてまとめましたが、この画像や言葉では説明しきれない部分も多々あります。詳しく十二単について知りたい方は「十二単のはなし―現代の皇室の装い」の購入をおすすめします。十二単に関する知識のない私でも、読みやすく、1冊にすべてがまとまっていました。
 また、様々な文献やインターネット上の情報をまとめましたが、まとめる際に間違ってしまった部分もあるかと思います(衣装に関する知識がないため)。このため、このサイト上に掲載されている情報の利用にはくれぐれもご注意ください。

羽織る順番に十二単の衣装を紹介

大垂髪(おおすべらかし)

 雛人形の衣装にも紹介した、十二単の髪型です。
 十二単の衣装紹介に関する記事を読んでみても、どのタイミングで髪型をセットしているのか分からなかったのですが、写真を見ると大垂髪になってから十二単を着ていくようなので、最初に紹介しました。

釵子(さいし)


 釵子(さいし)もどのタイミングでセットするのか記述がなかったのですが、写真を見ると十二単を着る前に着用しているのかな、と思います。

小袖(こそで)


 十二単の下に着る肌着・下着が「小袖(こそで)になります。
 元々は下記に紹介する「単(ひとえ)」が肌着の役割を果たしていましたが、単が着物の一部となったため、庶民の着ていた着物を下着として使うようになったとのことです。
「最初はつつましく単の下に隠れていた小袖も、やがて襟元を見せるなど人目に立つようになり、これも肌着の役目を他に譲って、みずからも上着への道をたどりはじめて現在の着物の祖先となってゆくのですが」(引用:十二単のはなし―現代の皇室の装い)とあるように、この小袖も首元から見える位置に着られます

襪(しとうず)


 足に履くものが「襪(しとうず)です。
「指股のない足袋のようなもので、コハゼ(※足袋の合わせ目につけられた爪形のとめ金)の代わりに足首を括る日本の紐があり、絹製です。」(引用:十二単のはなし―現代の皇室の装い)とのことです。

長袴(ながばかま)

 袴はイメージしやすいと思います。足を通して履くものです。長袴というように、裾が長くなっています。

単(ひとえ)


 前述の「小袖(こそで)」の上に羽織るものが「単(ひとえ)です。元は肌着だったものなので、どの装束にも着けるのが原則だそうです。
 この単も、首元から見える位置にありますし、長袴の上にあり、下記の五衣(いつつぎぬ)よりサイズが大きいので、裾からも色味が見えます。

五衣(いつつぎぬ)


 十二単衣で何枚も何枚も着物を羽織っている、というイメージの大元がこの「五衣(いつつぎぬ)」です。
 この五衣は、色味の異なる着物を5枚羽織るのですが、「現在一般に使われる五衣は、ほとんどが襟・袖・裾まわしのみを五枚重ねとして、見頃は一つにまとめた「比翼」の仕立てがほとんどですので、たいへん早く着けることができます」(引用:十二単のはなし―現代の皇室の装い)とあります。

打衣(うちぎぬ)


 五衣(いつつぎぬ)の上に羽織るのが打衣(うちぎぬ)です。写真だと判別が付かないのですが、多分上記の位置に来るのが打衣のはず…

表着(うわぎ)


 打衣(うちぎぬ)の更に上に羽織るものが表着(うわぎ)です。

唐衣(からぎぬ)


 表着(うわぎ)の上に着るのが唐衣(からぎぬ)です。単(ひとえ)、五衣(いつつぎぬ)、打衣(うちぎぬ)、表着(うわぎ)がほとんど同じ形をしていたのですが、唐衣は手前(胸側)が長く、後ろ側(背中側/裾側)が短くなっています

裳(も)

 唐衣の背に当てるものが「裳(も)」です。裳(も)に関してはフリーの写真・画像が見つからなかったので、「十二単・裳」で画像検索してみてください。
「裳は唐衣の背の裾に当てて着ける「大腰(おおごし)」、後に引く二筋の「引腰(ひきごし)」、裳を腰に結びとめる「小紐」と「小腰(こごし)」(掛帯(かけおび)とも)、それに八幅(やはば)からなる「裂(きれ)」から構成される複雑なものです。」(引用:十二単のはなし―現代の皇室の装い)とあるように、十二単衣の中でも複雑な作りとなっています。

 ちなみに、「小腰」は写真の位置にあります。

檜扇(ひおうぎ)


 右手に持って、左手で支えているのが檜扇(ひおうぎ)です。雛人形の女雛だと開いている扇が一般的になると思います。

十二単の生地・色・文様まとめ(一例)

 以上より、十二単のうちの「衣装」部分の生地・色・文様をまとめると以下のようになります。


構成 単衣/袷 生地 文様 備考
小袖(こそで) (表地)不明 不明  
(裏地)不明 不明
襪(しとうず) -
(白平絹(へいけん))
無文  
長袴(ながばかま)
(引き返し)
(表地)精好
(せいごう)
赤系 無文  
(裏地)精好
(せいごう)
表地と同色 無文
単(ひとえ) 単衣 平絹、もしくは綾 重ねの色目 自由 五衣と合わせて「重ねの色目」を作る
五衣(いつつぎぬ) 綾(あや)、唐綾、絹等 重ねの色目 地文のみ
(藤立涌、松立涌など)
同じサイズで色違いの袿(うちぎ)を5枚、もしくは比翼(ひよく)」仕立てにする
打衣(うちぎぬ) (表地)綾 紅色または濃色(こきいろ) 地文のみもしくは無文  
(裏地)平絹 表地と同色 無文
表着(うわぎ) (表地)浮織物(うきおりもの)や二倍織物(ふたえおりもの) 自由 二倍織物や立涌、唐草、菱文など  
(裏地)平絹や綾 自由 無文
唐衣(からぎぬ) (表地)二倍織物(ふたえおりもの) 赤(紅)、青(黄緑) 二倍織物 高倉流と山科流で裏地の色が異なる
(裏地)固地綾(かたじあや) 表地と同色、もしくは規定色
(表が赤→縹
 表が青→黄色)
菱文
裳(も) (裳本体)単衣 白、赤、青、裾濃(すそご) 松、鶴、桐竹、鳳凰、海賦(かいふ)  
(大腰)袷 浮織物 窠(か)に霰文(あられ)
小菱文
(引腰)袷 浮織物 大腰と同じ 大腰と同じ
大腰と同じ 大腰と同じ
(小腰) 唐衣の共裂 唐衣の共裂 唐衣の共裂

-雛人形
-, , , , , , , , , , , ,

Copyright© 雛人形 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.