裁縫・型紙

【十二単の型紙】五衣(いつつぎぬ)の作り方【着せ替え人形用】

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 五衣は5枚の袿(うちぎ)を重ねて着用します。
 しかし、着せ替え人形の場合、5枚重ねて着用すると着膨れし、特に肩が盛り上がりすぎてしまい、五衣だけでなく、表着や唐衣を着用することが困難になります。
 そこで、「衿」「衽」「裾」だけが5枚重ねとなる「比翼(ひよく)」に仕立てることにより、着膨れを抑えることができます
 また、今回比翼すべてを「」で作っていますが、着せ替え人形の着膨れを抑えたい場合には単衣に仕立てるのもいいのかな、と思います。

目次

ご注意

 随時更新・随時手直し中です。写真や作り方は予告なく変更することがあります。
 このサイトで公開している情報は「ひな祭りに関する知識・リカちゃん人形に関する知識・衣装に関する知識、すべてがない「ど素人」」が独学で(付け焼き刃的に)覚えた知識です。このため、情報が間違っていたり、制作過程に問題があることもあります。
 あくまで参考程度に、温かい目でお読みいただけると幸いです。
 また、前述のように「間違った知識」の可能性がありますので、情報の転載や制作物の販売等はお控えいただけると幸いです。

五衣(いつつぎぬ)とは

 五衣(いつつぎぬ)の正式な生地・作り方については下記もご参照ください。

五衣(いつつぎぬ)の型紙

【十二単/五衣】1枚目(表)(PDF)
【十二単/五衣】2~5枚目(表)(PDF)
【十二単/五衣】1~4枚目(裏)(PDF)
【十二単/五衣】5枚目(裏)(PDF)

五衣(いつつぎぬ)の製作例

五衣(いつつぎぬ)の作り方

 あくまで自己流の作り方を記録したものです。
 本物を作りたいのであれば十二単・束帯の作り方が掲載されている本の購入をおすすめします。

五衣(いつつぎぬ)制作の注意点

 生地等は正式なものではなく、手に入りやすい生地を使っています。正式な生地はこちらもご参照ください。
・五衣は5枚の袿を重ねて着用するものですが、着せ替え人形の場合、5枚着用させると肩が盛り上がりすぎるので、「比翼(ひよく/裾と衿と袖が複数枚あるように見える着物)」で制作しています。
・5枚の比翼仕立てでも着膨れするので、着せ替え人形用であれば3枚程度にするか、すべて単衣仕立て(裏地なし)でもいいと思います。
・本来は身八つ口用の布が必要ですが、省略しています。


・本来袖はすべて同じサイズですが、写真のように着用させる際に窮屈になるので、1~5枚目でサイズを変えています。

五衣(いつつぎぬ)制作で使用した材料

・ピンク系の布5種(今回はダイソーやセリアの風呂敷・バンダナ・端切れを使用)
・白系の布(今回はダブルガーゼをはいだものを使用)
・白色の糸
・しつけ糸(今回はしつけ専用の糸ではなく、縫い糸を使用)




五衣(いつつぎぬ)制作で使用した道具

・針
・マチ針
・裁ちばさみ
・アイロン

五衣(いつつぎぬ)の制作過程

型紙を元に布を裁つ



 1~5枚目、全ての布を裁ちます。1~5枚目、同時並行での作業になるので、一緒にならないように管理します。
 私の場合、クリアファイルに入れて管理しました。

袖を作る


袖口を縫う


 表袖と裏袖を、表同士を内側に合わせて(中表)、上記の部分を縫い合わせます。袖口(手を出す部分)になります。
 五衣の場合、袖は「広袖」という構造で、手首の部分のみを出すのではなく(袖口を縫うタイプ)、袖口が開いたタイプになります。

袖下を縫う


 表布と裏布を写真のようにたたみ直し、袖下を縫い合わせます。
 袖口から4枚合わせて縫い、振り側は表布・裏布同士、2枚で縫います。


 表に返すと筒状になっています。

振り側を縫う

 ここからは人間用の着物と大きく違う縫い方になります(人間サイズでは裏返すことができても、着せ替え人形サイズでは裏返すことが困難になるため)。

表布・裏布をそれぞれ内側に折り・しつけする


 袖を表に返し、表布・裏布を内側に折り込み、袖付け部分以外をしつけ(仮留め)します。

表布と裏布を縫い合わせる


 再び表布・裏布を裏返し、しつけた部分を縫い合わせます。表布・裏布を合わせて表に針目が出ないように縫い合わせます(本ぐけ縫い)。


 これで袖は完成です。1~5枚目の右袖・左袖(計10枚)はすべてこの縫い方で縫います。

袖を合わせ、しつけする


 5枚の袖は合わせて仮留め(しつけ)しておきます。

1枚目の表見頃を縫う


 1枚目の身頃を縫います。

表布の背縫いをする


 1枚目の表身頃同士の表同士を合わせて(中表)、裏側から縫い合わせます。

アイロンをかける


 背縫いの部分を左に折り、アイロンをかけます(きせをかける)。

脇縫いをする


 前身頃・後身頃の表側が重なるように折り(中表)、身八つ口止まりまで脇を縫い合わせます。

アイロンをかける

 脇は前身頃側に折り、アイロンをかけます(きせをかける)。

1枚目の裏見頃を縫う


1枚目裏布の裾の背縫いをする


 1枚目の裾の表同士を合わせて(中表)、裏側から縫い合わせます。

アイロンをかける


 背縫いの部分を表身頃と反対側に折り、アイロンをかけます(きせをかける)。

脇縫いをする


 前裾・後裾の表側が重なるように折り(中表)、脇を縫い合わせます。

アイロンをかける

 脇は前身頃側に折り、アイロンをかけます(きせをかける)。

1枚目の表見頃と裏裾を縫う



 裾は表地(見事)と裏地(裾)の表側が重なるようにし(中表)、縫い合わせます。

おめりを作る


 裾は表地より裏地が2mm程度はみ出るようにし(おめり)、しつけをします。

背を縫い合わせる(背の中とじ)


 身頃・裏布を裏返し、背縫い同士を縫い合わせます。縫い合わせは背縫いの上です。

脇を縫い合わせる(脇の中とじ)


 脇も背の中とじ同様、身頃(1枚目表)と裾(1枚目裏)の脇同士を縫い合わせます。

2~4枚目の裾の縫い合わせ


 2~4枚目の裾を縫います。
 縫い方が特殊なので、前述の1枚目のような縫い方(表身頃の背縫い・脇縫い→裏裾の背縫い・脇縫い→裾縫い、背の中とじ、脇の中とじ)でもokです。

裾を縫う


 裾を先に縫います。
 表裾・裏裾を表同士で合わせて縫い合わせます。

おめりを出して、しつけをする


 表に返します。
 裾は2mm程度裏布をはみ出させ(おくみ)、仮縫い(しつけ)をします。

後ろ裾の縫い合わせ


 左後裾を右後裾で挟み、4枚で縫います。

裾の「脇」の縫い合わせ


 右脇、左脇は前裾で後裾を挟んで4枚で縫います。


 広げると写真のようになります。


 2、3、4枚目はすべて同様に縫い合わせます。

5枚目の裏身頃の縫い合わせ



 背中(背縫い)、脇(脇縫い)をします。1枚目の表身頃の縫い方と同様です。
 縫い代は右身頃側(表身頃と反対側)、脇縫いは表身頃側に倒し、アイロンをかけます。

5枚目の表裾の縫い合わせ


 5枚目の表裾を縫います。

背縫い・脇縫いをする


 背中(背縫い)、脇(脇縫い)をします。
 縫い代は背縫いを左身頃側、脇縫いを表身頃に折り、 アイロンをかけます。

5枚目の縫い合わせ


 5枚目の表裾と裏身頃を縫い合わせます。

裾の縫い合わせ


 表裾と裏身頃の裾の表同士を合わせて(中表)、裾を縫い合わせます。

おめりを作る


 裾は裏布を表側に2mm程度はみ出させ(おめり)、アイロンをかけて仮縫いをします(しつけ)。

背の中とじをする

 背中同士を縫い合わせます(脇の中とじ)。

脇の中とじをする


 脇同士を縫い合わせます(背の中とじ)。

5枚を合わせる



 5枚を合わせます。
 まず、1枚目の表身頃と5枚目の裏身頃の肩山を合わせます。

裾を合わせる


 肩山がずれないようにしながら、裾を平らになるよう合わせます。

2~4枚目の裾を合わせ、しつけする


 2~4枚目の裾を、等間隔でずらしながら合わせ、1~5枚目までをすべて仮留め(しつけ)します。

1枚目と5枚目の縫い合わせ


背の中とじ・脇の中とじ


 1枚目の表身頃と5枚目の裏布身頃の背中と脇を縫い合わせます(背の中とじ、脇の中とじ)。

肩山をしつけする


 先程合わせた肩山も仮留め(しつけ)します。

身八つ口を内側に縫い合わせる

 身八つ口を内側に折り、表に糸目が出ないように縫い合わせます。

袖付け


表袖・表身頃の縫い合わせ


 1枚目の表袖と1枚目の表身頃の袖をあわせて縫い合わせます。

裏袖・裏身頃の縫い合わせ

 5枚目の裏袖と2枚の裏身頃を合わせ縫い合わせます。

1枚目の裏袖~5枚目の表袖の縫い合わせ


 1枚目の裏袖~5枚目の表袖(計8枚)は、表袖と裏袖の間に挟み、縫い合わせます。

衽の裾を縫う


 衽の裾を縫います。

衽の裾を縫う


 1枚目から5枚目までの衽は、それぞれ表同士を合わせ(中表)、裾を縫い合わせて表に返します。

おめりを出す


 裏布を2mm程度はみ出させ(おめり)、アイロンをかけます。

衽を内側に折る


 衽の衿下を内側に折り、アイロンをかけます。

1枚目の衽付け


衽と身頃の縫い合わせ


 1枚目の衽と身頃を縫い合わせます。
 衽で前身頃を挟み、2~4枚目の裾がとめてあるところ(裾回り)まで4枚で縫い合わせます。
 その上は表衽と表身頃を縫い合わせます(裏衽は縫い合わせない)。

きせをかける


 縫い代を表側に折り、アイロンをかけます(きせをかける)。

衿下の縫い合わせ


 1枚目の表衽と裏衽の衿下を、表に針目が出ないように縫い合わせます(本ぐけ)。

2~4枚目の衽と裾の縫い合わせ


 2枚目~4枚目の衽を、衽と縫い合わせます。

衽と裾を縫い合わせる



 1枚目同様、裾(身頃)を衽で挟み、4枚で縫います。

裾回りの上の衽を縫い合わせる


 裾回りの上は衽の表裏で縫い合わせます。

衿下を縫い合わせる


 衿下は1枚目同様、衽の表裏で、表に針目が出ないように縫い合わせます(本ぐけ)。
 2~4枚目の衽付けは同様に行います。

5枚目の衽付け


 5枚目の衽を付けます。
衽と身頃の縫い合わせ



 5枚目は裾回りまでは衽で身頃を挟み、4枚で縫い合わせます。
 裾回りの上は身頃の裏布と衽の裏布を縫い合わせます(表衽は縫い合わせない)。

衿下の縫い合わせ


 衽の表裏を内側に折り、衿下を縫い合わせます。


 5枚の衽付けが終わった状態です。

衽を縫い合わせる

 1枚目の裏衽と2~4枚目の衽、5枚目の表衽を縫い合わせます。
 衽付けの上部(2~4枚目の衽で2枚で縫い合わせた箇所)と1枚目の裏衽と5枚目の表衽、計8枚を縫い合わせます(今回、この過程を飛ばしてしまったので、下記の手順では縫い合わされていない状態の写真が続きます…)。

衿付け


 衿の長辺の一方を内側に折り、アイロンを折ります。
 アイロンで折り目を付けていない側を先に身頃に縫い合わせることになります。

1枚目の衿付け


 1枚目は衿の表裏で衽と身頃(表)を挟んで、4枚(衽下がりより上は表見頃と衿の3枚)で縫い合わせます。
※5枚目の衿付けも参照

2枚目~4枚目の衿付け


 2枚目~4枚目は、まず衽と衿付けを4枚で縫い合わせます。


 衿付け部分(比翼仕立てではない場合には、本来ならば身頃があるはずの部分)は衿の表裏2枚で縫い合わせます。

5枚目の衿付け


 5枚目は1枚目と同様に、衿の表裏で身頃と衽を挟み、4枚で縫い合わせます。衽下がりより上は裏身頃と衿の3枚で縫い合わせます。

衿の縫い合わせ


衿先の処理


 衿先の裏を縫い合わせ、表に返します(写真は表に返した状態)。

衿の縫い合わせ


 裏衿を1mm程度はみ出させ(おめり)、表布と裏布を縫い合わせます(5枚すべて)。

衿肩を合わせる



 衿肩を5枚合わせて少しずつ衿が見えるようにして、糸で縫い付けます。

衿肩以外の縫い合わせ


 1枚目~5枚目を縫い付けます。
衿下~衽下がりの縫い合わせ

 縫い合わせるのは衿下~衽下がり辺りの三ヶ所を閉じます。5枚目の裏布~1枚目の裏布を貫くようにして針を通します。縫い代は1mm程度です。
 針目が出ないように縫い、5枚がずれないようにします。

裾の縫い合わせ1


 1枚目から4枚目を一緒に閉じます。
 1枚目の裾から2cm上の前身頃と後身頃を縫い付けます。

裾の縫い合わせ2


 裾回りを5枚一緒に縫い付けます。

しつけ糸を抜いて完成


 仮止め(しつけ)していた糸を取り除き、完成です。

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